「世の中には、ディスカウントでけんもんもある」 by 萬田銀次郎 | いぶくろ

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健康のバロメータでもある胃袋。

ペプシン、レンニン、リパーゼ、アミラーゼと、役割の違う消化酵素を複数持つ。

各酵素が入って来たものを各栄養素へと分解する。

ここでも何かが起こる?!

母「たつ、お前は自分の腕に溺れて、肝心なもんを見失のうててた。

  これや、これのこもってへん料理は、素人さんかてわかる。

  そやけどな、これさえあったら、例え中国産のふぐでも、

  天然もんに引けをとらへんもんになる。ちがうか?。

  板前は腕やない、心や。」



井「萬田はん言うたな。こっちが出せる金は3,500。

  それ以上ビタ一文払うつもりはない。

  納得できん言うなら、あそこが銀行に差し押さえくろうて、

  競売にかかるのを待つだけや。

  粘ったところで、半年ももたんやろ。」

萬「そういうことなら、こっちも覚悟を決めさして貰いまっさ。

  あの土地福田から買うて、居座らして貰うまでや。」



井「わかった、ほな払ったるわい。

  ただし、9,900や。」

上「きったーーー、アニキ、来ましたで。

  魂心堂、怒涛のディスカウント攻撃や。」

井「9,900やったら、俺の面子も立つ。

  どや、萬田はん。」

銀「この萬田が一億言うたら一億や。

  びた一文まかりまへんな。

  世の中には、ディスカウントでけんもんもあるっちゅうことを、

  あんたもよう覚えときなはれ。」


このやり取りには、複数の含蓄に富んだ言葉があると

思わずにはいられません。


言うたもん勝ちになりがちな今の社会。


物的に裕福になっても、

心が貧しくなってしまっては元も子もない、

そんな気がしてなりません。